惡の華(11) (週刊少年マガジンコミックス) 作者:押見修造 講談社 Amazon 押見修造の漫画作品である『惡の華』が、この十一巻をもって完結した。最初の単行本から一貫して「この漫画を、今、思春期に苛まれているすべての少年少女、かつて思春期に苛まれたすべてのかつての少年少女に捧げます。」とカバーに記しつづけた作者が紡いだ物語。 その結末にはなにが描かれていたのか。 再会するふたりは海辺で 春日は、あの夏祭りの夜を最後に、これまで会うことのなかった仲村さんの居場所を知る。海のある小さな町で母親と暮らしているという彼女に、常磐さんとともに会いに行く。その町の砂浜で再会した仲村さんに、春日は問う。「あのとき ぼくを突き飛ばしたのはなぜ?」。 ”あのとき”とは、夏祭りの櫓の上で包丁とライターを握りしめながら、ふたりで灯油をかぶった夜のことだ。仲村さんは「さあ わすれた」としらを切り、「キミは