──まずは「インダストリー4.0とは何か」という点について、率直なところをお聞かせください。 山本氏:「インダストリー4.0」はドイツ技術科学アカデミー(Acatech)による「第4の産業革命宣言」という文書で定義されており、ドイツでは国や教育・研究機関、産業界全体を挙げた取り組みになっています。 その背景には大きく「社会要因」と「技術要因」があります。社会要因は、今後の10年を見たときに、ドイツの人口は減少傾向にあり、労働人口も減少が見込まれます。さらにドイツ製造業における一人あたりの賃金は1時間あたり約5000円強と、世界の中でも高コスト体質で、このままではドイツの製造業の強みを維持できなくなっています。 加えて、ドイツの製造業は、グーグルやアマゾンといった米国のIT企業に対して危機を感じている点が挙げられます。米国のIT企業が新しい技術やサービスを使って、自分たちのコアな領域を脅かす
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