双子を専門にする国内唯一の研究機関「大阪大ツインリサーチセンター」(大阪府吹田市)が、存続の危機に直面している。今年度の運営費を確保できず、このままでは10年以上かけて集めた膨大な双子のDNAや血清などのサンプルやデータが失われてしまう恐れがある。双子の研究の意義を訴えるセンターは、なぜ危機に陥っているのだろうか。 「僕はここを『双子の図書館』と呼んでいる。研究のインフラなんです。このままでは、日本の双子の研究が後れをとって、世界に負けてしまう」。ツインリサーチセンター長を務める渡辺幹夫・大阪大教授(臨床検査医学)は、厳しい表情でそう語った。 双子は全出産の約1%を占める。2009年に設立されたセンターには、全国の約2800組の双子が登録されている。そのうち約450組については、生活習慣などのアンケート調査結果に加えて、血液検査や身体検査などを実施し、血清やDNAなどを冷凍保存している。国