第949号 国立国会図書館 インボイス方式導入をめぐる経緯と課題 調査と情報―ISSUE BRIEF― NUMBER 949(2017. 3.23.) 国立国会図書館 調査及び立法考査局財政金融課 (佐 さ 藤 とう 良 りょう ) ● 我が国の消費税では、 事業者の事務負担への配慮等から、 仕入税額控除の方式 として帳簿方式が採用されてきたが、益税の発生や転嫁の不透明性の問題が あることから、長くインボイス方式の導入をめぐって議論がなされてきた。 ● 平成 28 年度税制改正と、その後の消費税率 10%への引上げ時期の再延期に伴 う税制上の措置によって、平成 35 年 10 月からインボイス方式(適格請求書 等保存方式)が、軽減税率制度に適合する仕入税額控除の方式として、導入さ れることとなった。 ● 本稿では、仕入税額控除の方式の概要や経緯をまとめるとともに、今後、イン ボイス方式を導