大阪が本拠地の日本維新の会が躍進を続けている。一昨年の衆院選、昨年の参院選、そして今年の統一地方選で党勢を拡大。世論調査では政党支持率でも、次期衆院選の比例代表投票先でも野党第1党の立憲民主党を上回るが、どうにも腑に落ちない。格差を拡大する新自由主義路線をヒタ走り、醜聞が後を絶…
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維新政治の本質とは、大阪に広がる貧困と格差を「分断」へと転化させ、中堅サラリーマン層の弱者への憎悪の感情を組織化し、その「分断」を固定化したものだったのではないでしょうか。 「自業自得の人工透析患者なんて、全員実費負担にさせよ!無理だと泣くならそのまま殺せ!今のシステムは日本を亡ぼすだけだ!!」 維新政治の本質について考察する本稿の冒頭に、長谷川豊氏のこのおぞましくも衝撃的な発言を掲げることにしましょう。長谷川豊氏といえば、フジテレビの局アナからフリーランスになり、この発言を表題に掲げたブログ記事(2016年9月19日付)の炎上をきっかけにテレビの世界から姿を消しました。しかし翌年10月、衆議院議員総選挙に日本維新の会の公認候補として、千葉一区および比例南関東ブロックから立候補し、みじめな敗北を喫したことは記憶に新しいところです。 本稿の冒頭になぜこの発言なのか。それはいうまでもなく、「人
2021年10月に行われた第49回衆議院議員総選挙では日本維新の会が躍進を果たした。選挙前勢力の11議席から30議席増の計41議席を獲得した。15議席減の自民党、13議席減の立憲民主党と比べると、対照的な結果であった。維新は大阪や近畿圏でとくに強さを見せつけたが、その他の地域においても比例代表の議席を獲得した。全国レベルで維新に対する一定の支持が見られたといえよう。 国政政党としての維新はなぜ一定の支持を得ているのか。本稿では、筆者らが独自に実施したウェブアンケート調査のデータを用いつつ、「政党イメージ」という観点から維新支持の真相に迫ってみたい。 結論を先取りすれば、筆者らの調査データによると、維新を「経済的弱者の味方になってくれる」政党だと捉える者は12.2%、「一般人の感覚に近い」政党だと捉える者は22.3%存在しており、いずれの割合も全政党の中で最も高いことが明らかとなる。のちほど
今年10月の総選挙で躍進を遂げた維新の会、特に大阪では候補者を立てた選挙区を全勝するなど圧倒的な強さを見せました。結成された当初は「稀代のポピュリスト」橋下徹の人気に引っ張られた政党という見方もあったと思いますが、橋下徹が政界を引退してもその勢力は衰えていません。 しかし、その維新の会も大阪都構想をめぐる住民投票では2015年、2020年と2回続けて敗北しました。維新の人気が下り坂になっているわけではないのに、看板政策で2度にわたって躓いたのです。 この1回目の住民投票を中心に分析したのがサントリー学芸賞も受賞した著者の前著の『維新支持の分析』でした。 前著では維新への支持は「弱い支持」であると位置づけた上で、住民投票の否決に関して、「すなわち態度変容を生じさせやすい維新を支持していた大阪市民が、特別区設置住民投票の特異な情報環境下で、自らの批判的な志向性に基づき熟慮した結果、賛成への投票
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