「家族主義」という言葉があらためてネット上で注目を集めている。 しかしそもそも家族主義とは何なのだろうか? 政治においてどういう意味を用いうるのだろうか? 実は家族主義というのは、きちんと概念を解きほぐしておかないと混乱をまねきかねない、かなり面倒な概念なのである。 家族政策の文脈での「家族主義」 まず政策、特に家族政策の文脈では、家族主義という言葉は、ほぼ真逆の2つの意味になりうる。 ひとつは、「家族のことは家族でしっかりとやるべきで、政府が支援をするものではない」という考え方である。日本で使われている家族主義の概念はこちらに近いし、海外でもこの用法は普通にみられる。 もうひとつは、「家族は大事だから、たいへんなこと、特にケア―育児や介護―については家族の負担を減らし、政府が公的に家族をしっかりと支援しましょう」という考え方である。これは一部のヨーロッパでみられる家族主義の概念である。
![「家族主義」をめぐる混乱を解きほぐす(筒井淳也) - エキスパート - Yahoo!ニュース](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/d71ea67738c04234939e188dc5de827e0eb1e7cc/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fnewsatcl-pctr.c.yimg.jp%2Ft%2Fiwiz-yn%2Frpr%2Ftsutsuijunya%2F00313008%2Ftitle-1661982087911.jpeg%3Fexp%3D10800)