オーガニック食品を推奨する根拠として「オーガニック食品は高価だが、食べることで健康になり、医療費が下がるのでむしろ安いのだ」と主張する人々がいます。〈前回の記事〉ではこれを批判し、デンマークでの大規模調査の結果、オーガニック食品の摂取とがんのリスクに関連性がなかったことなどを紹介しました。しかし、「オーガニックは高くない」論の本当の罪は、エビデンスの弱さではありません。今回はそれを主張する人々が見落としている、あるいは意図的に目を逸らしている問題を紐解いていきます。 「ニコラス・ケイジが映画に多く出演する年には、プールで溺死する人が増える」という有名な話がある(※1)。それぞれの統計を比べると、申し合わせたように同じカーブを描いてグラフが重なるからだ。 この状態を「相関関係がある」という。 ここで、ニコラス・ケイジに疑いが向けられる。 ニコラス・ケイジの映画出演のせいで本当に溺死が増えたの
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