序. ソクラテスの名言とされる「生きるために食べよ,食べるために生きるな/Thou shouldst eat to live; not live to eat.」を調べるとたくさんの学びがあり,我々にとってソクラテスとはどういった存在なのかを考える機会ともなりました.その学びを共有するためのnoteです. 1.ソクラテスの言葉とは? この「格言」をソクラテスのものとして紹介するサイトがいくつかあります.そもそも我々はどうしてソクラテスの言葉を知ることが出来るのでしょうか? ソクラテス自身は著作を残さなかったため,彼の弟子たちが,ソクラテスを登場人物として書いた「対話篇」での台詞からソクラテスの言葉を知ることができるというわけです.我々の知ることができる「ソクラテスの言葉」には,事実ソクラテスが発した言葉なのか,それとも弟子たちの創作なのかを区別することが困難であるという問題があること