これまでは肝臓がどのようにして細胞の入れ替えを行っているかが謎だった。 このたび肝臓でほかの細胞のおおもとなる「幹細胞」として機能する細胞が発見された。 米国スタンフォード大学医学部の研究グループが、国際的な科学誌ネイチャー2015年8月13日号で報告した。 肝臓どう自分を入れ替えるか 肝臓は大きな臓器で、「肝葉」と呼ばれる複数の領域に分かれている。血液から毒素をろ過する。消化酵素を作る。 研究グループによると、肝臓が、死にかけた細胞をどうやって入れ替えているかは謎とされてきた。 ほかの臓器では「幹細胞」が見つかっている。幹細胞は分裂して自分の複製を作るもの。肝臓の幹細胞に関する証拠は一切なかった。 異質な細胞 このたび見つかったのは、肝葉の中を通る中心静脈の近くだった。 研究グループによると、これまで肝臓の細胞は1種類だけと考えられてきた。肝臓の細胞は通常は、遺伝情報を保つ染色