2000年3月2日 田中 宇 記事の無料メール配信 太平洋戦争中、日本軍の暗号無線交信が、連合軍によって傍受・解読されていたことが、日本の敗因の一つとなったが、この時アメリカは、カナダやオーストラリアなど、地理的に日本の通信を傍受できる同盟国に協力を求め、共同作業で日本の動向を探った。 戦後、日本の脅威がなくなった代わりに、冷戦の米ソ対立が始まると、この同盟体は、ソ連に対する諜報活動の組織に衣替えした。1947年、アメリカの国家安全保障局(NSA)を中心に、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの諜報機関が参加して「UKUSA」という協約が作られた。ソ連の大使館が本国と交信する暗号化された通信などが、傍受の対象だった。 だが彼らの任務は、1970年代、人工衛星インテルサットを経由した国際電話のサービスが普及したころから拡大し始めた。ソ連の交信だけでなく、人工衛星を経由するすべて