沖縄県知事選で、県民が選んだリーダーは、翁長雄志(おながたけし)氏の遺志を継ぐ玉城デニー氏(58)だった。米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に、再び示された「ノー」。だが、安倍政権は工事を推し進める構えで、玉城新知事は厳しい県政運営を強いられる。 玉城氏は翁長氏の支持層と無党派層を取り込むことに成功し、大勝を収めた。 前回知事選で、翁長氏は辺野古の埋め立てを承認した現職の仲井真弘多(ひろかず)氏への反発も追い風に、保守、革新の立場を超えた「オール沖縄」の結集を呼びかけて大勝した。 今回はオール沖縄が崩壊寸前だった。移設計画を推し進める安倍政権との先の見えない対立が続き、辺野古の工事が着々と進んだ。2月の名護市長選など県内の首長選挙で連敗し、保守層の一部が離脱。さらに翁長氏という軸を失った。 とはいえ「辺野古反対」の意見は根強い。玉城氏は、そうした県民感情を広く取り込むことを狙った。 「