今年3月に閉館した大阪市立海洋博物館「なにわの海の時空館」(住之江区)で展示され、現在は公開されていない木造船「浪華丸」(全長30メートル)を3分の1サイズに復元した船(同10メートル)が、10日に同市港区で開かれる「天保山まつり」のパレードに登場する。住民らが市に働きかけて実現させ、帆を取り付ける作業なども実施。「なにわの華と呼ばれた船を知ってほしい」と意気込んでいる。(南部さやか) 浪華丸は、江戸時代に江戸と大坂の間で米や酒、油などの物資を運んだ貨物船「菱垣廻船(ひがきかいせん)」の1隻。同館が開館する前年の1999年、市が10億円かけて復元した。阪大や東大の研究者らが国立国会図書館に残っていた図面を基に設計し、日立造船の技術者や宮城県気仙沼市の船大工らが造り上げた。開館前には、大阪湾で試験航行も行われた。 だが、海に関する資料約9000点を展示した同館は、入館者低迷などで赤字が続き、