■「日本文化財保存修復国際センター」府が構想 文化財を継承させようと府は国内外の文化財の修復を担う「日本文化財保存修復国際センター」の設置を検討している。明治時代の廃仏毀釈などにより、多数の美術工芸品が海外に渡ったが、十分修復されないまま放置されている事例が少なくないという。府は5月中に構想を固める方針で、人材交流などを通して修復技術を国内外に広めたいとしている。(栗井裕美子) ◇ センター設置構想のきっかけは、府関係者が、海外の美術館で顔料で描かれた日本画が、ペンキで修復されているという話を聞いたことだった。 海外での日本美術工芸品の修復ニーズを探ろうと、府は平成25年11月、実業家、エミール・ギメが19世紀後半に収集した日本の美術工芸品約1万1千点を収蔵しているフランスの国立ギメ東洋美術館に専門家を派遣。 世界的に著名な同美術館でさえ、足下の木材の継