愛らしい姿のジャイアントパンダ。詳しい生態は謎に包まれ、飼育や繁殖が難しいことでも知られています。しかし、和歌山県白浜町の動物公園では、これまでに15頭のパンダの飼育に成功し、中国を除けば世界でも例のない実績を挙げています。NHKでは今回、100日以上にわたって飼育の現場に密着。浮かび上がってきたのは、「母と子の絆」を大切にする独自の飼育方針でした。 私たちが密着取材を開始したのは、去年9月です。白浜町にある民間の動物公園=アドベンチャーワールドで2年ぶりにパンダの交尾が確認され、赤ちゃん誕生への期待が高まっていました。 特別な部屋=“産室”に移された16歳のメス、「良浜(ラウヒン)」は、うろうろと動き回ったかと思えば、ごろりと横になって寝てしまいます。尿中のホルモンの値などを参考に、飼育員の24時間態勢での見守りが始まるなか、私たちも期待と不安が入り混じった気持ちでカメラを構え続けました