インド総選挙の行方を息を殺してみていたのは中国であろう。民族色の強い人民党の圧勝で、中国外務省はただちに「中印両国は競争相手ではなく、協力パートナーである」と秋波を送った。穏健な国民会議派のシン首相が強調してきた決めぜりふをなぞったのだ。 習近平政権はインドの中国離れへの警戒感が強い。自らの高圧的な外交姿勢から、尖閣諸島をめぐる日本との対立のほかに、ベトナム、フィリピンなどの近隣諸国とも反目している。米戦略国際問題研究所の上級研究員、エド・ルトワック氏によれば「多くの隣国にケンカを売る悪い戦略を追求するばかり」である。 インドで反中気分を代表する人民党のモディ政権ができると、東シナ海や南シナ海での係争がシーレーンに沿ってインド洋にまで広がる可能性が大きい。中国の「悪い戦略」をめぐる周辺諸国との同時多発型対立の表面化である。 振り返れば、中国は日本の尖閣国有化を奇貨として強硬になり、「侵略国
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