宇宙飛行士の野口聡一さんが11月16日午前9時27分(日本時間)に、自身にとって3度目となる宇宙飛行へと旅立つ。イーロン・マスク率いるスペースXが開発した運用第一号機「クルードラゴン」に搭乗して、野口さんはISSへと向かい、今回もまた船外活動――EVAに従事する予定だ。日本人ではいまだ4人しか経験したことのないEVAだが、そこで宇宙飛行士たちは何ものにも遮られることのない「闇」を目にするという――。 野口聡一さんの宇宙飛行を記念して、『宇宙から帰ってきた日本人』(稲泉連著)より第6章「EVA:船外活動体験――星出彰彦と野口聡一の見た『底のない闇』」の一部を特別に公開する。 あの球体のなかですべてが起こった日本人として若田光一に次ぐコマンダーとして宇宙に向かう予定の星出(彰彦)と同様に、2020年に3度目の宇宙への滞在が予定されている野口聡一は、『宇宙からの帰還』を高校3年生のときに読んだこ