オリンパスの損失隠しの実態を調べていた第三者委員会(甲斐中辰夫委員長)は6日、調査報告書を発表した。社長以下トップが主導し1999年3月期(98年度)から損失を簿外に移す「飛ばし」を実行、企業買収などを通じ総額1348億円を穴埋めした。(2011年12月6日 日本経済新聞電子版より抜粋) オリンパスによる、過去の損失計上を先送りにするという不適切な会計処理が発覚しました。2011年12月6日、第三者委員会が事実関係について調査報告書を公表しています。 オリンパスは会計監査でも見つからないように巧妙な手法を用いて、損失を長年にわたって隠し続けてきました。今回は損失を隠してきたスキームについて、解説してます。 【1】含み損とは オリンパスが隠し続けてきた損失は「含み損」と呼ばれるものです。まずは、含み損がどのようなものか、解説します。 100円で購入した株式が、時価が下落して70円になったとし