かつてない激戦のまま、まもなく投開票を迎えるアメリカ大統領選挙。3回に渡るテレビ討論会では、当初劣勢にあったオバマ大統領が盛り返し、共和党のロムニー候補を退けた。しかし、スタンフォード大学政治学部のシャントー・アイイェンガー教授は、「(テレビ討論会の)ディベートは単に支持者の傾倒を強めるだけに過ぎない」と、国民の政治的な争点への無関心とアメリカにおける党派意識の強さを指摘する。党派意識が非常に強い中で、結果的に今回の大統領選が接戦のまま終わりを迎えれば、これからの4年間はどういった政治環境に置かれることになるのか。大統領選挙の投開票を目前にした今、アイイェンガー教授が“新大統領”就任後の政治環境を占う。(聞き手/ジャーナリスト 瀧口範子) 宗教観にも似た強いアメリカの党派意識 民主党員と共和党員の間には憎悪も ――3回に渡ったテレビでの大統領候補のディベートも終わり、選挙戦はいよいよ終盤に