朝日新聞の記事によると、京都大学再生医学研究所の山中教授のチームがヒトの皮膚細胞から人工多能性幹細胞(iPS細胞)をつくりだすことに成功したとのこと。論文は21日付けのCellに掲載される。 これまで、万能細胞で機能している遺伝子の一部がOFFにされるために、体細胞は万能細胞ほど分化能を持たないと考えられてきた。今回の報告では、万能細胞化に必要と考えられる4つの遺伝子を導入・培養することで万能細胞化に成功した。実際に、つくられた万能細胞から中胚葉系組織である軟骨と外胚葉系組織である神経細胞の分化が確認されており、多分化能を有していることが確認されている。 これまで、万能細胞と言えば胚性幹細胞(ES cell)を指し、文字通り『胚(受精卵)』からつくる必要があったために、その倫理性が問題となっていた。そのため、体性幹細胞を採取し分化させる方法も検討されていたが、組織ごとに存在すると考えられる