過労死等防止対策シンポジウム(厚生労働省主催)が11月8日、東京都千代田区のイイノホールで開かれ、NHK首都圏放送センターの記者で2013年に過労死した佐戸未和さん(当時31)の母恵美子さんが過労死遺族として講演した。 恵美子さんは、「未和が土日もなく連日深夜まで働いていることを、チームの誰かが気遣ったり、配慮することもなく、職場で一番弱い未和が犠牲になった。失わずに済んだ命でした」と時折言葉を詰まらせながら思いの丈を語った。 ●選挙取材に奔走、亡くなる1か月前の残業時間は209時間 当時31歳だった未和さんは、都議選と参院選取材直後の2013年7月に心不全のため急死した。都庁記者クラブにいて、候補者や政党の取材だけでなく、出口調査などの情勢分析にも携わり、社内の会議や番組への出演もしていた。亡くなった後にNHKから入手した勤務記録を見ると、土日もなく、連日深夜まで働いている異常な勤務状況