このコラムも、新年が明けまして3年目となりました。皆様には長らくのご愛読ありがとうございます。 新年号なのである意味「書き初め」というわけですが、お習字の上達には、「目習い、手習い、指習い」という三原則があるそうです。目習いとは名作を観て学ぶこと。手習いとは筆を手に取り書いてみること、そして指習いとはお手本を指でなぞって学ぶことです。お習字のみならず、お稽古事、芸事というのはとにかく型から入る、あれこれ理屈を考えずに模倣することを大事にしますね。「習うより慣れよ」とか「教わるのでなく盗め」とも言われます。 それに対して近代科学的なアプローチの学習では、整理・体系化したうえで、ノウハウのように方程式化した型で理解しようとします。お習字でも、ここをこれくらいの角度ではねるとバランスよく見えるとか、そこを少しカスレ気味にするとカッコイイとか、ハウツーにしてもらうと確かに目に見えて上達した気分にな