福島県飯舘村の帰還困難区域の住民が、被ばくによる健康不安について慰謝料などを求めた集団申し立てで、和解を仲介する国の「紛争解決センター」が、被ばくの不安に対する賠償責任を初めて認め、東京電力に慰謝料を支払うよう求める方針を示したことがわかりました。 申し立てを行っているのは飯舘村で唯一、帰還困難区域に指定されている長泥地区の住民およそ180人です。 この地区は、原発事故のあと1か月以上、避難区域に指定されなかったため避難が遅れ、住民たちは被ばくによる将来の健康不安に対して慰謝料の支払いを求めていました。 住民側の説明によりますと、和解の仲介をする国の「紛争解決センター」は、「高い放射線量の中で特別な防護もしないまま事故前とほぼ同じ生活をしていて、恐怖や不安を感じても無理はない」として、住民1人当たり50万円、妊婦と18歳以下の子どもには100万円の慰謝料を東京電力に求める方針を示したという