東京電力福島第1原発で発生する汚染水対策の切り札とされた「凍土遮水壁」は運用開始から2年が近づく。昨年8月に全面凍結を開始。山側から流れ込む地下水は抑制され、建屋周りの井戸「サブドレン」などの効果と併せ、汚染水の発生量は1日100トン以下に減った。ただ汚染水を浄化しタンクにため続ける構図は変わらず、抜本的な解決策は見えていない。 凍結は2016年3月末、海側から開始。残していた箇所の凍結も昨年夏に始まり、現在は地中の99.8%が0度以下という。 東電によると、凍結開始前(16年1~3月)に1日810トンあった山側からの地下水流入量は、17年12月に370トンに減少。海側の護岸方向に流れ出す地下水量も310トンから70トンに減っている。 地下水を完全にせき止められないのは、地下配管など、凍らせることができない部分があるためとみられる。凍土壁の効果について、東電は3月に評価結果を発表する方針だ