かゆいところをかくとなぜ気持ち良くなるのか──その脳内メカニズムを解明したと自然科学研究機構生理学研究所が発表した。かくことで快感が生じている際には脳の「報酬系」と呼ばれる場所が活性化していることが分かり、アトピー性皮膚炎などで苦しむ人向けに新しい治療法の開発につながることが期待できるという。 研究グループは、実験的にかゆみを起こし、その近辺をかいて気持ち良くなっている際の脳活動をfMRI(磁気共鳴断層画像装置)で調べた。その結果、中脳や線条体といった報酬系強く反応することが分かったという。 報酬系は、欲求が満たされたり、欲求が満たされることが期待できる時に快感を起こす仕組みで、この快さ(「達成感」など)に導かれて人間はさまざま行動を行っている。 アトピー性皮膚炎などではかけばかくほど皮膚が傷つき、よりかゆみがひどくなり、患者は苦しむことになる。快感を抑えることができれば過度にかいてしまう