東京都中心部にある地上44階建ての高層オフィスビル。川崎市に住む茂木直子さん(44)は今夏から、ここに入る外資系企業に勤めている。フルタイム勤務の派遣社員で時給は1800円。契約は1カ月ごとに更新される。 2012年までの5年間、同じビル内にある英国系銀行の契約社員だった。当時は年収約480万円。やりがいはあったが、突然、事業の撤退で職を失った。「あのとき、いくら頑張っても高卒で正社員は無理だと悟った」。ビルのロビーで元同僚とすれ違うと、今も心がうずく。 小劇場や語学学校で正規雇用…
東京都中心部にある地上44階建ての高層オフィスビル。川崎市に住む茂木直子さん(44)は今夏から、ここに入る外資系企業に勤めている。フルタイム勤務の派遣社員で時給は1800円。契約は1カ月ごとに更新される。 2012年までの5年間、同じビル内にある英国系銀行の契約社員だった。当時は年収約480万円。やりがいはあったが、突然、事業の撤退で職を失った。「あのとき、いくら頑張っても高卒で正社員は無理だと悟った」。ビルのロビーで元同僚とすれ違うと、今も心がうずく。 小劇場や語学学校で正規雇用…
安全保障関連法が成立した2年前、不安を感じた人たちが街頭に出て、大きなうねりを生んだ。先頭に立った学生団体は解散したが、元メンバーは今、声をあげる新たな理由を見いだしている。地域で輪を広げ、自ら考えた「政策」を訴え始めた人たちもいる。 「僕たちは無力じゃない。一人ひとりが力を合わせれば、日本の政治は変えられる」。8日、東京・新橋。本間信和さん(22)は久々に街頭でマイクを握った。この数カ月間、もやもやしていた自分に言い聞かせるように。 学生団体「SEALDs」のメンバーとして安保法への抗議を続けた。成立後は「学者の会」「ママの会」などと「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」(市民連合)を設立。昨年、参議院選挙で野党4党による候補者一本化が実現し、ある程度の手応えも感じた。 SEALDsは参院選の1カ月後に解散。本間さんは多文化共生のあり方を研究するため、筑波大大学院へ進学。新生
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