分析結果を発表する関西福祉科学大の遠藤洋二教授(中央)=東京都渋谷区で2020年1月27日、國枝すみれ撮影 児童福祉施設で起きる子ども間の性暴力がクローズアップされつつある。施設関係者らが予防や早期対応を目指して設立した「神戸児童間性暴力研究会」は、全国の児童福祉施設で起きた事案を分析し、東京都内で1月27日に開いたセミナーで結果を報告した。それによると、同性間での性暴力が大半を占め、原因は性的衝動だけではないという。背景に何があり、どうすれば防げるのか。セミナーを取材した。【國枝すみれ/統合デジタル取材センター】 「男児から男児」全体の62% 同性間での性暴力が全体の7割、被害児の4割近くは9歳未満の幼い子ども――。自治体職員や研究者ら約150人が参加したセミナーでは、全国の21施設で過去10年に起きた児童間の性暴力308ケースについての分析が発表された。 男児が男児に性暴力を働いたケー