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ブックマーク / magazine-k.jp (5)

  • アマゾンはリアル書店で何をたくらむ?

    アマゾンが11月の初めにシアトル郊外のショッピングモールの片隅に「アマゾン・ブックス」という屋をオープンして2ヶ月が経つ。「出版社との関係構築が目的」とだけ発表したアマゾンは、誰とどんな関係を築こうとしているのか。 日ではアマゾンが意図する「中抜き」は、出版社ではなく、取次のようだ。大手には甘い取引条件なのに対して、これまではなにごとも後回しにされがちだった中小出版社に対し、アマゾンは「うちに直接おたくのを卸せば六・六掛け(正味66%)にするよ」などと説明しているとか。 アメリカではそのへんはどうなのか? アメリカでは独禁法により、取次業者が大手出版社に対する取引条件を優遇することが禁じられている。また、どんなに小さな屋さんでも、ホールセラー(日の取次に相当する流通業者)から最大手のバーンズ&ノーブルと同じ条件でを調達できる。書店の規模によって違うのは注文数に応じたディスカウン

    アマゾンはリアル書店で何をたくらむ?
  • 「フリーライブラリアン」のすすめ

    私の肩書の一つは、フリーライブラリアンです。「図書館外で図書館司書のようなはたらきをする人」という意味で、数年前から使っています。 きっかけは、二つありました。一つ目は、司書のはたらきは人から必要とされている、けれど届いていない、と感じる出来事があったこと。当時勤めていた大学図書館でのレファレンス(調べものの手伝い)について友人に説明すると「図書館の人にそんな質問してよかったの?」という反応をされることが、たびたびありました。図書館を利用していないわけではない友人たちの反応から、司書にできることが世間で知られていない、知られていないがために活用されていない、と感じました。 「かかりつけの司書」となるまで そうこうしているうちに、ある年配の社会人大学院生との間で、印象に残るやりとりがありました。社会人入学をされるくらいだから、とても熱心な方です。レファレンスでは、単に質問内容だけを聞くのでは

  • わが実家「蔵書放出祭」始末記

    「あのをどうしよう……」 奈良の実家の親から「実家を売ろうと思っている」と電話で言われた時に、私の脳裏に最初に浮かんだのは、実家に溜め込んだやCDのことだった。 小さい頃からの好きが高じて図書館に職を得ているが、そもそも、私は「床が抜ける」ほどのもCDも持っていない、その辺にいる「ちょっと音楽が好きな一社会人」である。読書量にすれば年間100冊も読むかどうか。職業柄、を大量に購入・所蔵する必要がある人々と比べれば、所詮は趣味、多寡が知れている。おまけに、結婚して子どもが産まれるに及び、やCDを買うお金も、置くためのスペースも極めて限定されるようになってしまった。結果として、蔵書点数の伸びはここ数年、鈍化する一方だ。 それでも、増えた。故・草森紳一氏は、 「はなぜ増えるのか。買うからである。処分しないからである。」(『随筆 が崩れる』、文藝春秋、2005年) と書いている

  • あらたな時代の本のスタイルを求めて

    今年最後の「マガジン航」の記事をお送りします。最近読んだ、二つのの話題です。ひとつはボイジャーから紙の電子書籍として同時に刊行されたクレイグ・モド氏の『ぼくらの時代の』、もうひとつは新潮社から刊行された山貴光氏の『文体の科学』。どちらからも、きわめて新鮮な刺激を受けました。大げさではなく、この二冊には「の未来」を考えるためのたくさんの鍵が隠されている――そう思える理由を、今年を締めくくるにあたり、つらつらと書いてみることにします。 を「デザイン」と「スタイル」から考える この二冊にはいくつか共通点があります。ひとつは著者のバックグラウンドです。クレイグ・モド氏は紙のの装丁、スマートフォン用アプリや電子書籍のデザインと設計に携わってきたデザイナー・開発者であり、自身でもPRE/POSTという出版レーベルを主宰するパブリッシャーでもあります。また山貴光氏はゲーム作家としての経

    あらたな時代の本のスタイルを求めて
  • Kindle Direct Publishing体験記

    Kindle Direct Publishingも日上陸 アマゾンの電子書籍サービス、Kindleがようやく日に上陸した。そして間を置かずに、Kindle Direct Publishingも日で開始された。Kindle端末とキンドルストアについては「まもなく日上陸」という報道が何度となく繰り返されてきたから、遂にやって来たという感じだろう。でも、Kindle Direct Publishingまでこうして一緒にはじまるとは思っていなかった。 Kindle Direct Publishingは電子書籍の自費出版サービスだ。いや、自費出版というのは語弊があるかもしれない。いわゆる自費出版は、数十万円から時に数百万円というお金を持ち出して、数百数千のを作って売るという、文字通り自分のお金ではじめる出版のことである。 一方、Kindle Direct Publishingは、データの入

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