伝送線路の分布定数回路の方程式は、電圧および電流を波として捉えて記述したものであり、集中定数回路(普通の回路)と比較して距離の概念を追加したものである、と言われている。ちょうどMaxwellの方程式と集中定数回路の中間的なものであるが、Maxwell方程式から伝送線路の方程式を示すことにより、どのような仮定のもとで伝送線の方程式が成り立っているのかを確認したい。 伝送線路は2平行線路のTEM(Transverse Electromagnetic)波から導出することが可能である。今回は伝送線路の式を導出する前段階として、2次元断面形状を持つ導体上のTEM波の式を導出する。 出発点はMaxwellの方程式である。 Faradayの法則 修正Ampereの法則 電荷保存則 磁荷不在の法則 ここでEは電界、Bは磁束密度、Hは磁界、Jは電流密度、Dは電束密度を表す。EとDおよびJの関係およびHとBの