作家デビュー25年を迎えた島田荘司さん(57)=写真=が精力的に活動している。6月に『帝都衛星軌道』(講談社)、7月に『溺れる人魚』(原書房)、8月に『UFO大通り』(講談社)、9月に『光る鶴』(光文社文庫)――と矢継ぎ早に新刊を出し、今月から『島田荘司全集』(南雲堂)の刊行も始まった。 が、作家の表情には厳しさがある。「新本格ミステリー」ブームを共に起こした盟友の編集者、宇山秀雄氏を8月に失っただけではない。「本格ミステリーは今、危機の時代にある」との思いが強いからだ。 「1987年に始まった新本格ムーブメントが一段落したのに、第二の綾辻行人、京極夏彦が登場していない。だから、自分が書かねばということなんです」 折しも、東野圭吾『容疑者Xの献身』の評価をめぐり、作家、評論家らが「本格とは何か」の論争を巻き起こしている。島田さんは論争からは距離を置きつつ、「『X』は小説として面白いし、本格
「面白さの王道」貫き ひたむきな情熱歌う 美内すずえ『ガラスの仮面』、秋本治『こちら葛飾区亀有公園前派出所』、細川智栄子『王家の紋章』の3作が、そろって今年、連載30周年を迎えた。単行本は合計241冊。いずれもなおトップクラスの人気を保ち続ける“怪物作品”。その持続力の秘密を3氏に聞いた。(石田汗太) 「当初は長くて2年くらいの連載と思っていた。目の前のことを精いっぱい形にしていくうちに30年たった感じで……」と美内すずえさんは語る。 『ガラスの仮面』の連載開始は「花とゆめ」(白泉社)1976年新年号。本格的に演劇をテーマにした少女漫画は例がなく、美内さん自身も詳しいわけではなかった。が、デビュー直後に見た帝国劇場の舞台に感激し、「役を演じる役者も、キャラクターを描く漫画家も、表現者という点では同じ」との信念で、天才演劇少女・北島マヤに文字通り“同化”してきた。雑誌連載は休止中だが、単行
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