「和工房 寓」が開発した組み立て式茶室。昨年12月の米・ロサンゼルスで開かれたジャパンエキスポに出展され、実際にお茶がふるまわれた 和室のない住宅が増える中で、リフォームの手間をかけず、気軽に和の暮らしを楽しんで−。こんな思いから、購入者自身で組み立てられる和室や茶室が和家具などの職人によって開発された。伝統の技と素材が用いられ、誰でも簡単に組み立てられるという。日本文化の紹介を兼ねて海外展開もねらっている。(猪谷千香) 障子を引いて縁側から中に入れば、3畳ほどの空間が現れる。床の間が備えられ、縁のない琉球畳を敷き詰めた立派な和室だ。大人2人で1時間あれば完成する組み立て式和室「箱家」。福島県会津若松市の老舗漆器メーカー「坂本乙造(おとぞう)商店」が昨年発売した。本体価格は基本仕様で231万円。 「子供が小さいうちは洋室が好まれますが、ある程度年齢がいくと、和室が欲しくなります」と坂本朝夫