政府税制調査会は、中小企業の法人税率を現行の18%から11%に引き下げる優遇措置の導入を10年度は見送る方針を固めた。租税特別措置(租特)の見直しを踏まえた11年度以降の課題とする。税率の引き下げは民主党が総選挙のマニフェスト(政権公約)にも掲げていた。 税率の引き下げで1900億円の税収減となる一方で、中小企業の7割近くは法人税を払っておらず、減税効果は薄いと判断した。中小企業の税率は前政権が09年度に22%から18%に下げたばかりだ。 来年度の税制改正では、政府税調側は減税要望なら財源の明示を求めていたが、経済産業省は「中小企業減税はマニフェストの一丁目一番地。財源は政府全体で確保するべきだ」として、減税に見合う増収案を示さなかった。 税調の議長役の峰崎直樹財務副大臣は「中小企業関係の租特を廃止してから(税率を下げる)というのが筋だ」との考えを示していた。