「ニセ科学本」はデータの扱い方に特徴がある。普通のデータを普通に扱うだけでは、常識をくつがえす大胆な主張は展開できないからである。ここでは『早死にしたくなければ、タバコはやめないほうがいい』(武田邦彦著/竹書房新書)を題材に考察してみる。 データの扱い方 (1)データにモレがある 世界の男性喫煙率について武田氏はモンゴル、中国、韓国、トルコ、トンガ…というランキングを示し、「ややアジア系の国が多いことがわかる」と主張している。しかし出典の「タバコアトラス2002」をみると、4位に入るべきロシアが抜けている。 (p45) 出典:『WHO:タバコアトラス2002』 (2)引用した元データが不正確 世界の肺がん死亡率について武田氏は「世界地図『肺がん死亡率トップ10』」からデータを引用している。ところがこれは正式なデータではなくネット地図ショップのもの。すべて男女が逆になっているというお粗末な間
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