表現の萎縮を反映/路上写真の危機 「?」だらけの摘発騒動だった。写真家の篠山紀信氏の写真集「20XX TOKYO」(朝日出版社)をめぐり、篠山氏の事務所などが公然わいせつ容疑で警視庁に家宅捜索された。1990年代から過激なヌードを“激写”してきた篠山氏だが、今回は作品のわいせつ性ではなく、路上撮影の違法性が問われた。なぜ、この時期に?なにが問題か?どう受け止めるべきなのか?篠山氏の路上ヌード撮影に同行したこともある写真評論家の飯沢耕太郎さん(55)に聞いた。(篠原知存) 「まず確認しておきたいのは、作品が『わいせつかどうか』に確たる基準はないということです。摘発する側も、社会の空気を読んでいるし、時代によって境界線は引き直される」 過激なヌードは篠山氏の作風のひとつ。平成3年には樋口可南子と宮沢りえの写真集で「ヘア解禁」の流れを作った。AV女優を使った路上ヌード撮影もそのころから行ってきた