予想されていたとはいえ、無残な数字が並んだ。 2008年11月12日、新生銀行は9月期中間決算を発表した。9月の段階ですでに280億円の黒字予想から一転し、150億円の連結最終赤字に転落すると発表したばかりだった。 しかし、蓋を開けてみると連結最終赤字は192億円と、当初の予想を大幅に超えるまでに膨らむ結果となった。しかも、社長であるティエリー・ポルテが退任し、かつて同行の初代会長を務めていた八城政基が社長を兼務、取締役会長として復帰することが発表されたのだ。 新生銀行誕生の立役者にして、功労者であるものの八城は一線を退いていた身。79歳という高齢で、非常事態に陥っている銀行を立て直す陣頭指揮にあたれるとは到底思えない。そうした八城しか引き受け手がいないほどポルテの後任人事は難航を極めた。誰もが“ババ”を引くことを拒んだのである。 1998年に経営破綻した新生銀行の前身、日本長期信用銀行(