尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件を巡り、中国政府が日本への制裁的な経済圧力を強めたことで、国内の産業界は、こうした事態が再発しかねないとの警戒感を強めている。 逮捕された中国人船長が釈放されたものの、ハイテク製品の生産に欠かせないレアアース(希土類)の輸出停止がいつ解けるか、中国人観光客の落ち込みにつながらないかどうか不透明だ。中国市場に依存する日本経済の危うさも浮き彫りとなった。 北京の旅行会社によると、市観光当局から要請があった訪日旅行の募集やPRの自粛は、「船長が帰国してもすぐには元に戻さないことが、暗黙の決まりになっている」という。この旅行会社は「少なくとも9月いっぱいは再開は無理ではないか」と予想する。 「世界旅行博2010」が開かれる東京都内の会場では24日、中国の国家観光局が予定していた展示が中止になった。主催する日本旅行業協会の金井耿会長(日本旅行会長)は「影響は相当大きく、中