横浜市神奈川区六角橋の「六角橋商店街」で8日午後に起きた火災は、密集する店に瞬く間に燃え広がり、17店舗計約880平方メートルを焼いた。買い物客でにぎわう白昼の商店街に、消防車のサイレンが鳴り響いた。 商店街で靴店2店を営む山口貞子さん(81)が、数軒先の飲食店から立ち上る煙に気づいたのは午後1時半頃。他の店の店主らの「逃げろ」という叫び声も聞こえてきた。一緒にいた孫の能勢巴菜さん(19)と、避難の準備をするため店に戻ろうとした時、近くの店から爆発音が聞こえた。振り返ると、火柱が店舗のはるか上空に上り、買い物客の主婦たちがハンカチで口を覆い、血相を変えて白楽駅方向に逃げていた。 「おばあちゃん、私たちも逃げなきゃ」。能勢さんに促され、山口さんもタオル1枚だけ持って逃げた。山口さんは「命が助かって良かったが、商品も通帳も全部燃えてしまった」と肩を落とした。 同商店街では、1990年に13棟約