大変久しぶりであります。いちおうこのブログは「書棚」と書いている通り書評をウリにしているハズなんですが、いつの間にか全くやらなくなってしまったので、再開したいと思います。 多少生産技術や機械工学に足を突っ込んだひとからすれば、畑村洋太郎氏を知らないのは要するにモグリといえよう。ちょうどコンサルタント界隈で関満博*1を知らないのがモグリと云われるのと同じくらいと言って過言ではない。 失敗学に関しては生産技術関係だけではなくて、システムエンジニアリングの世界でもかなり有名になってきて、かなり耳にする機会も多くなってきていたり、東京電力の福島第一原子力発電所事故に関しては事故調査・検証委員会の委員長も務めていて、産業・学問の領域を超えたある種著名人にまでなっていると言ってもよいだろう。 それだけに書店で本書を見かけた際に期待があまりに大きかったわけだが、正直期待はずれであった。 老いたり畑村洋太