中央新幹線の工事について、JR東海は国から着工許可を得ている。ならば静岡県の意向にかかわらず、南アルプストンネルの工事も可能なはず。それを静岡県が制止できる理由は「河川法」である。「全国新幹線鉄道整備法」など鉄道関連の法律ではない。河川を工事するためには河川管理者の許可が必要で、大井川上流の河川管理者は静岡県だ。また、許可にあたっては水利、治水関係者の了承が必要になる。建設する物件がリニアでも鉄道でも道路でも、平和を守るロボットの秘密基地でも同じだ。ここに超法規処置はない。 大井川は一級河川(水系)だ。本来は国が河川管理者になる。しかし、一級河川(水系)は一部の区間について、国が都道府県知事や政令指定都市市長に管理を委任できる。大井川については河口から24.8キロが国の直轄管理で、その上流は静岡県が管理者となっている。 JR東海と静岡県の対話が膠着(こうちゃく)している事態に対し、国土交通