言わずと知れた、立川談志の名言だ。これは逆説である。だからこそ、酒飲みを救う言葉であり、ある意味で皮肉であり、「なわけあるか」というツッコミを引き出す最高のボケになっている。 とある編集者の人に「よく読まれるインタビューってどんな内容ですか?」と聞いたことがある。その人は一瞬、脳内の過去記事を詮索するような仕草をして、こう答えた。「逆説をタイトルにしているものだね。」 それは、結果を残した創業者(経営者)やアーティストが、世の中が信じている常識を“壊す”ようなことを、成功体験として語る類のものだ。ここで例をあげなくても、最近おもしろいと思ったインタビューを振り返れば、きっと似たものがあるはずだ。炎上しているものにも多い。 とても面白い事実だと思う。僕らは、常識やルールを頼りにして真面目に生きているが、一方でそういう思考をひっくり返されることを期待しているのだ。 だれかがボケることでこの世界