「米光さん、読みましたよ」 「おお」 「新刊! おもしろかった」 「ありがとう」 「タイトルが長すぎるけど」 「『自分だけにしか思いつかないアイデアを見つける方法―“企画の魔眼”を手に入れよう』自分でもなかなか覚えられない……」 「内容が凄いっすよ! オビに「コツや近道ではない。本当の発想力を身につける王道を学べ。 『ぷよぷよ』を作った人気ゲームクリエイターが、若手育成カリキュラムの中から生み出したトレーニング法を公開!」って書いてあって、ほんとー?とか思いながら読んだら、ほんとにその通りの内容で!」 「ありがとう」 「いやいや、それだけ地味ってことですよ」 「地味?」 「そうですよ。売ろうって思うなら、「この方法でドンドン発想がわきでてくる!」とか、「5分で発想力がつくメソッド!」とか、そういう本じゃないと!」 「だって、そんなのありえないもん。嘘でしょ、そんなの」 「嘘でも、そーじゃな