兄に服を借りようと思ったが、兄と連絡がつかず 「申し訳ない、後で礼はする」 と心で謝りつつ、兄のクローゼットを探った。 女物の服とかいろいろ発見したのが修羅場。 盗んできたのか、内緒で女でも飼ってるのかと犯罪を連想して焦った。 とりあえずまあ、帰ってきた兄に発見したことを報告。 もし償わねばらならんことをしたのなら、下手に拡散でくれ、と。 罪を隠すということはしないが、できるだけ力になる、と。 わりと必死だった。「分かった」 と一言兄が言い、部屋にしばらくこもってから出てきた。 「別に男に興味はないが女お恰好をするのが趣味だ」 と偉そうにカムアウトされた。 中世的な容姿ならまだ傷は浅かっただろうが、 ビジュアル的にも兄のそれは修羅場だった。 カムアウトした後、憑き物が落ちたように女装趣味が無くなったらしい。 ただ今は、夢の中で女装した兄が玄関で出迎えてくれるという悪夢をたまに見る。 どうし