昨年10月、巨額の粉飾決算が発覚し、菊川剛元会長兼社長が退任したオリンパス。その直前には、同社の不正を追及しようとしたマイケル・ウッドフォード元社長を、菊川氏が突如解任するなど、すでに混乱が生じていた。結局、東京地検特捜部が動く事態となり、3月、特捜部は菊川氏ら旧経営陣を起訴。こうした混乱を受け、3月期決算は489億円もの赤字に陥り、5月には他社との資本提携や大規模なリストラが報道されるなど、いまだに落ち着きを見せていない。 そんなオリンパスの現役社員・A氏に、驚くべき同社の実態を聞いた。 ――まず、粉飾決算発覚前から、同社の現役社員である濱田正晴氏が、上司の不正行為を同社内の通報窓口に通報したことで、不当な配置転換を強要され、濱田氏が同社の不当労働行為の取り消しと損害賠償を請求した「オリンパス裁判」というものがありますね。 A氏 はい。昨年8月に出された控訴審判決では濱田氏が全面勝訴した