車いすで生活を送る奈良県下市(しもいち)町の谷口明花(めいか)さん(12)が、希望した町立下市中学校への入学を拒否された問題で、町と町教育委員会は21日、就学通知書を両親に渡し、明花さんの入学を正式に認めた。これを受け、明花さんと両親は入学許可を求めて4月に奈良地裁に起こした訴えを取り下げる。 入学をめぐっては、町側が今春、学校のバリアフリー設備が不十分なことを理由に拒否。奈良地裁は6月26日、町側に対し、判決が出るまで仮の入学許可を出すよう義務づける決定を出した。町側は仮入学を認め、今月17日には、地裁決定を不服として大阪高裁に申し立てていた即時抗告も取り下げた。町教委の堀光博教育長は「明花さんの学習保障を考え、これ以上しんどい思いをさせてはいけないと考えた」と説明している。 母親の美保さん(45)によると、仮入学を認められた明花さんは今月3日から1学期の終業式の17日まで休まず登校