【モスクワ=酒井和人】ロシア北部、コミ共和国の森林地帯で七日、東シベリア・サハ共和国発モスクワ行きの旅客機ツポレフ154が電気系統の故障のため、閉鎖状態の空港に緊急着陸した。乗員乗客約八十人にけがはなく、「奇跡の生還」と話題を呼んでいる。 八日付のロシア紙コメルサントなどによると、同機は出発から約四時間後に発電機が故障。燃料をエンジンに送るポンプが停止、無線機器なども使用不能となった。 機長が機体を急降下中、付近の軍用空港を発見。閉鎖状態のため管制誘導なしで着陸し、滑走路を約二百メートルオーバーランして森の中で止まった。乗客には妊婦や子供もいたが、全員無事で、一部は救助されるまで散歩やキノコ採りに出掛けていたという。