このお菓子を抱えての帰り道は、本当に神経を使いました。横殴りの風雨と戦いながら、片手に紙袋、片手に傘をさし、自分はどんなにずぶ濡れになろうとも、この美しい、おそらく日本一であろう上生菓子だけは守らねば!と。。。 それほど楽しみにしていたのです。 いつも大福、饅頭、お団子という庶民のおやつ的な和菓子ばかり食べている私ですが、時にはちょっと贅沢に上生菓子などを頂くこともあるのです。 こちら『嘯月』さんは、昔々友人である京都大好きマダムから教えて頂いたもの。 「和菓子がお好きなら、一度は食べてみて!」 なんてことを常々言ってくれていたのですが、その後、別のお友達のご好意により何度か京都で頂く機会がありました。 その時、初めて「京都」のお菓子を食べた気がしました。その繊細で慎み深い味わいに、東京の人間としては、ちょっと悔しい思いを感じたのも正直なところ。 お茶を嗜むでもない私は、あまり上生菓子には