ブックマーク / blog.tatsuru.com (7)

  • かっちゃん - 内田樹の研究室

    隔週で短いエッセイを連載をしているので、『AERA』が毎週送られてくる。 寝転がって今週号をぱらぱら読んでいたら、なかほどのグラビアに「特別企画21世紀大学」というタイアップ記事があって、そこに昭和大学が取り上げられていた。 あら・・・と思って、半身を起こして頁に目をこらしたら、小口勝司理事長が笑ってこちらを向いていた。 「かっちゃん」は日比谷高校の一年生のときの級友である。 ぼくは大田区のはずれのカントリーフレイバーな中学から日比谷高校に入って、がちがちに緊張していて、一年生のときから勉強ばかりしていた。 「かっちゃん」は神田明神の境内に住んでいる江戸っ子で、ぱりっとしたシティボーイだった。 ぼくはなんとなく敬して遠ざけ、前期の半年の間、たぶん一度も口をきいたことがなかった。 後期になってぼくは生徒議会の議員というものに選出され、その集まりが昼休みにあり、午後の授業に数分遅刻して教室に入

  • 大学が生き延びるために - 内田樹の研究室

    いつも大学情報を教えてくれるコバヤシさんから、「ちょっとショッキングな話」を教えていただいた。 大阪府吹田市のある大学(気の毒なので名を秘す)に、08年、現代社会学部が新設された。 しかし、来年(09年)、この学部は募集停止になる。 おそらく大幅な定員割れだったと想定される(受験者は20人余。入学者は非公開)。 もう一つ、これも関西のある大学の話。 この大学は08年度から人間教育学部を新設した。 1966年に開学したときの文学部を94年に募集停止して、国際文化学部を設置(文化学科、言語コミュニケーション学科)。02年に情報コミュニケーション学科を設置した。 文学部から国際文化学部への事実上の改組であるが、それも12年しか保たなかった。 06年に国際文化学部が募集停止。そして人間教育学部に衣替えしたのである。 冷たいことを言うようだけれど、この人間教育学部も長くは保たないように思う。 これら

    yoshinani
    yoshinani 2008/11/16
    リソースが有限なときには「エコロジカル・ニッチ」を分散化する、というのが生物の生存戦略の基本である。 危機的状況においては、「他の個体と比較考量しにくい形態や行動様式を採用する」。
  • こんな私でよかったら - 内田樹の研究室

    私立学校初任者研修近畿地区研修会という長い名前の集まりで講演。 夏休みに入ってこれで教育関係の講演が4つ目。これでおしまい。 近畿六都府県の私立の中高の新任教員のみなさんを対象にした二日間のセミナーのはじめの方でお話をさせていただく。 お呼びくださったのは去年の今頃に舞子ビラでやった兵庫県私立中高連合会中堅教員研修会のときの肝いりのみなさん(甲陽学院の石川義明先生、灘の倉石寛先生、雲雀丘学園の玉井英夫先生)。 玉井先生は釈先生の恩師である。 私のような態度の悪い男を二度までも研修の講師に招聘しようというのであるから、ずいぶんと悪戯心にあふれた先生方である。 お昼ご飯をご相伴しているときに、先生方のお話を側聞すると「ニシベ」とか「ブント」とかいう単語がもれ聞こえる。 あら、悪戯心の起源はそっち方面でしたか。 そういうことであれば、私としてもグローバル資主義批判を全面展開するに遠慮はいらない

    yoshinani
    yoshinani 2008/11/16
    「子どもたちを『同時代のドミナントなイデオロギーから守ること』、それが教育の存在理由である。」
  • 朝の読書 - 内田樹の研究室

    卒論中間発表。 今回は2人欠席で13名が20分間ずつ発表。 正午に開始して、終了したのが6時。 うう、疲れたぜい。 どれもたいへん面白い発表だった。「裁判員制度」や「女子大の存在意義」や「おひとりさま」や「消費者参加型マーケティング」については、そのつどこのブログで自説を述べたので、今回はまだ一度も言及していないトピックについて。 「朝の読書」である。 ウィキペディアの説明を貼り付けておく。 「朝の読書運動は小・中・高等学校において、読書を習慣づける目的で始業時間前に読書の時間を設ける運動。個々の学校や担任単位で 1970 年代から各地で行われてきたものであるが、1988 年の東葉高等学校の運動をきっかけに全国に広まった。とくに小学校で盛んである。 読書時間は 10 分から 15 分程度である。生徒が持参した、あるいは学級文庫の中から選んだを読む。とくに小学生を対象として、読書教材を少な

    yoshinani
    yoshinani 2008/11/16
    活字中毒者の興味深い回想「佃煮のラベルも、読み込めばそれはそれで結構面白い」
  • 会議と書類の大学 - 内田樹の研究室

    ノーベル賞の物理と化学あわせて受賞者が4人出たことは慶賀すべきことであるが、いずれも20年30年前の業績についてのものであることの重大性を指摘する人が多い。 中村桂子さん(JT生命誌研究館館長)もその一人である。 今の日の研究体制であれば、20年後30年後にノーベル賞を受賞するような研究は出てこないだろうと中村さんは言っている。 「現在、ちょっと変わった新しいことを考える雰囲気がない。大学が法人化され、競争的資金と言われ、すぐに成果の出ることばかりに追われ、自由度がなくなっている。会議と書類づくりの毎日はいつか軌道修正されると思っているが。」(毎日新聞10月26日) 役人が研究をコントロールしようとすれば、必ずそうなる。 役人が教育研究活動に容喙すれば、教育研究の質は不可避的に下がる。 私の大学では「シラバスに成績評価基準を明記していない教師がいる」という理由で先般助成金が削られた。 シ

    yoshinani
    yoshinani 2008/11/16
    役所が大学教育に必要以上に介入することに対する批判。
  • 費用対効果教育 - 内田樹の研究室

    全国私立大学付属・併設中学校高等学校教育研究集会という長い名前の集まりに呼ばれて一席演じる。 教授会がある時間帯なので、ほんとうは断るべき学外バイトであるのだが、なにしろお相手が全国の中高名門校の先生方である。 大学案内をかかえて「あの〜、進路指導の先生にお会いしたいんですけど〜」と腰を低くして職員室にうかがっても、「あ、そのへんに資料だけ置いて帰っていいです」というような扱いを受けてきた身としては、「まとめて営業」できる機会というのはこちらからお鳥目を差し出しても伺いたいところである。 研究集会のテーマは「教育の不易と流行-多様化する社会における一貫教育の役割」というものである。 ちょうど『街場の教育論』が出たところなので、「学校教育は惰性の強い制度であり、社会の変化に即応すべきではない。変化しないことこそが教育の社会的機能なのである」という持論を述べる。 直前の教務委員会で来年度の学年

    yoshinani
    yoshinani 2008/11/16
    「いかに少ない苦労で、大きなリターンを得るか」マインドが、教育に行き渡った結末が現在の大学。
  • 日教組の ”影響” と言論の自由について - 内田樹の研究室

    テレビ政治討論番組で「日の丸・君が代」の強制について批判的に言及した人に向かって、別のスピーカーが「あんた、日人止めなさい」と怒鳴りつけた。 不思議なロジックである。 「日の丸・君が代」が国旗国歌であるということはいわゆる「国旗国歌法」によって9年前に定められた。 国法に疑義を唱える人間に向かって「だったら日人を止めろ」ということが適法的であるとするなら、国憲に疑義を唱える人間についてはどうなるのであろう。 たしか私たちの国の政権与党はひさしく「改憲」を党是として掲げいる。 憲法は片々たる法律とは違う上位規定である。 憲法98条にはこう記してある。 「この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない」 下位規定である法律に「疑義がある」という人に向かって「それなら日人を止めろ」と言うことができるなら、

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