世界人口の6割超、数にしておよそ40億人の「BOP(Base of Pyramid)」層。このボリュームゾーンにどう切り込んでいくか。先進国の多くの企業はBOP市場に打って出る際、まずどんな自社製品・サービスで勝負するかを決め、次にそれをどう改良し、どう安く売るかに頭を悩ませる。だがリコーは違う。途上国の農村に先に飛び込み、後から商材を考える。逆転の発想のBOPビジネスがそこにある。 「ようやくいま、BOPビジネスの『商材』を考え始めたところ。先に商材を決めると、どうしても発想が(小袋戦略など)先進国寄りに制約されてしまう。だから、商材を何にするかはあえて意識しないで、BOPプロジェクトを立ち上げた」 リコーのBOPプロジェクトを率いる瀬川秀樹リーダー(新規事業開発センター副所長)は、同社が掲げるBOPビジネスの方針をこう語る。 ■インドの農村に社員が1カ月滞在 インド北東部のソラート村