今回の熊本地震で自社工場が被災したのにもかかわず、被災者への緊急支援でそつのない対応を見せた企業がある。製パン業国内最大手の山崎製パンだ。2014年2月の大雪の際も、配送トラックドライバーの機転によるパンの無料配布がネット上で大絶賛された。なぜ、山崎製パンは、災害時の緊急支援に強いのか。その秘密に迫った。(ジャーナリスト・鈴木広行) ● 自社工場も被災 それでもそつなく緊急食料支援 14日夜に熊本県で最初に発生した激しい地震から、26日で12日が経過した。被災者に対する支援を巡っては、国は、避難所避難者への支援物資を被災地の要請を待たずに緊急輸送する「プッシュ型支援」を初めて行った。 しかし、熊本県や地元自治体との連携が上手く取れなかったために、集積地に物資が必要以上に積み上がったり、配布の「公平さ」ばかりを重視したりした結果、必要なものが必要な時に避難者に行き渡らないなど官主導によ