こんにちは。田原です。 今回は、最後にムーブの使いどころについて解説します。ムーブはC++11前までは無かった機能ですので頻繁に使われるわけではありません。意外に使いどころが難しいです。しかし、実は標準ライブラリで有効に活用されている縁の下の力持ちです。その仕組を把握しておくとプログラミングの幅が広がります。 1.関数の戻り値の場合 前回、ちょっとだけ触れましたが、関数の戻り値にムーブを使うと性能が上がりそうに感じます。しかし、RVO(Return Value Optimization)やNRVO(Named Return Value Optimization)と呼ばれる最適化手法に任せた方がより性能が上がります。その見極めの話です。 1-1.ムーブといえどもメンバ変数はコピーする まず、ムーブは一切コピーせずに「移動」するものではありません。「移動」という言葉に反するように感じますが、そ
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