今オフにはメジャー行きを噂される川崎宗則も交流戦で活躍中。2008年、2009年と連続して交流戦を制覇したソフトバンクにあって、MVPにも選ばれたことも 強すぎる、冗談じゃない。 テレビの前で思わずそんなことを呟いてしまった6月6日のソフトバンク―広島戦。 圧倒的だった。本多の三盗、小久保のスリーラン、5回の犠飛四球を挟んでの5連打等々、大技小技を散りばめて、初回から1、2、2、3、6、2……と、連続得点を重ねていくやりたい放題のソフトバンク打線。先発の山田も危なげない投球で7回3安打1失点。開幕からセ・リーグの台風の目と呼ばれ、あれだけ元気だったカープを17対2でボロボロの晒し者にしてしまった。 ソフトバンクはこれで交流戦、10連勝を含む13勝1敗2分け。まだ折り返した直後だというのに、交流戦の優勝マジックまでついてしまった。チーム防御率1.15、チーム打率.271。杉内、和田に攝津、山
5月25日、26日のソフトバンク戦、2試合連続の3安打猛打賞で存在感を見せた藤村大介。近い将来、ジャイアンツ打線不動の1番打者になる素質を秘めている まず、次の選手たちの故障履歴を見てもらいたい。 *阿部慎之助 4/ 5、右ふくらはぎ肉離れで離脱→5/17復帰 *山口鉄也 4/23、左胸の張りで登録抹消→5/17復帰 *高橋由伸 4/29、左肋骨の骨折で登録抹消 *亀井義行 5/16、右手薬指骨折で登録抹消 *小笠原道大 5/14、広島戦の左ふくらはぎ死球で登録抹消 5人の他にも'09年の新人王、松本哲也(外野手)が開幕から不振を極め依然として未出場(5月30日現在)、脇谷亮太は打率1割台の底でのたうち回っている。 私が5月25、26日に見たソフトバンク戦のスターティングメンバーは次の通りである。 ◇5月25日・ソフトバンク戦 [三]大田泰示 2試合 打率.000 [二]藤村大介 - -
右打者としてシーズン歴代最高打率記録.378を持つ、まさに球界を代表する右打者・内川聖一。2008年から昨季までの対左投手の平均打率は.356と非常に高く、2008年には実に.439という高打率であった やはり、数年前耳にしたスカウトの嘆きは偽りではなかった。 スカウト活動に日々いそしむ彼らは、口々にこう話していたものだ。 「右打者がいない。特に大砲を中心に右打ちの野手がいない。球団からも、要望されているが、実際いないんだよ――」 交流戦も終盤に差し掛かり、40試合ほどを消化した今シーズン。数年前のスカウトの言葉通り、右打者の活躍いかんがチームの浮沈を左右している。 順位が如実に反映する……チームの浮沈を握る右打者の存在。 パ・リーグの首位を行くソフトバンクは新加入の内川聖一が.354の打率でチームをけん引し、彼が故障離脱した際には和製大砲の松田宣浩がその穴を埋めた。小久保裕紀、多村仁志も
2007年のドラフトで佐藤由規(仙台育英高→ヤクルト)、唐川侑己(成田高→ロッテ)と並んで「高校ビッグ3」と呼ばれた中田。尊敬する清原和博に追いつくような選手になれるか? やはり恩師の眼力は侮れない。 2年前、西武の中村剛也の取材で母校の大阪桐蔭を訪ねたときのことだ。監督の西谷浩一は、やたらとルーキーの浅村栄斗のことを推していた。その前年、'08年夏に大阪桐蔭が全国制覇を果たしたときの「1番ショート」で、同じく西武にドラフト3位で入団したばかりだった。 「フレッシュオールスターを見たんですけど、ショートゴロを打ったスイングを見て、1年目にしては『おっ』て。これは案外やるかもなと思った。浅村は今後、ちょっとおもしろいですよ」 そのときは、さして浅村に関心もなく聞き流してしまったのだが、西谷の予感通り、今シーズン、浅村はブレークしている。 そしてその浅村以上に熱い期待を寄せていたのは、プロ入り
今年61歳になる清武英利氏。育成選手制度やイースタン・リーグのチャレンジ・マッチなど、日本球界全体のシステム改革に携わった敏腕経営者である 編成は難しい。 開幕から1カ月余り。今年の巨人の戦いぶりを観ていて、改めてそう思った。 昨シーズンの終盤に、巨人は(というか原監督は)2011年のチーム作りで、大きな方向転換を決断していた。 それまで三塁を守っていた小笠原道大内野手の一塁コンバートだった。 狙いは年齢的に守備範囲が狭くなってきている小笠原の負担を軽減して、打撃に専念できるようにすること。逆に言えば、打線の力を落とさずに、三遊間の守備力を強化するというのがチーム作りの一つのポイントだったわけだ。 そのためにやらねばならない準備は二つあった。一つは編成で小笠原の後ガマとなる選手を探すこと。もう一つはもしもの場合に備えて、現有戦力の中から、三塁手の後任を探して作り上げておくことである。 村田
ちょうど1年前の5月は、右手に打球をうけて中指を骨折して登録抹消となっていた唐川。日本シリーズに出場はしたが、今年は先発ローテーションをきっちり守りたいところ 高校時代、「総合力ナンバー1」と呼ばれた安定感が成熟過程に入りつつある。 千葉ロッテの4年目、唐川侑己の今季の投球はそれだけ抜群だということだ。 初登板こそ6回途中4失点で敗戦投手となったものの、4月20日の西武戦から4連勝。5月21日の横浜戦では、勝敗こそつかなかったが7回2失点と最低限の仕事をした。 そうして迎えた5月28日の巨人戦。登板前日に唐川は、「3年前のことなのでもう忘れました。あの時とは僕も変わっていますから」と冷静に答えてはいた。だが、ルーキーイヤーの'08年に4回途中6失点した相手を全く意識していないわけがない。 しかも巨人は、球界屈指の攻撃力を誇るチームだ。パ・リーグの若手投手にとって巨人戦は、現時点での力が本物
今季7試合を投げて最低でも6回以上、最大自責点3という成績を残している澤村。メジャーの基準だと全試合QSということになる素晴らしい成績ともいえる 最近、日本のテレビでメジャーリーグ中継を見ていたら、「クオリティ・スタート」の説明をしていた。 ほほぅ。日本も変わったものじゃ。 思わず感心してしまった。それだけ日本でもクオリティ・スタート(QS)が認知されたということだろう。 QSとは、一般的に先発投手が6回以上を投げ、自責点を3点以内に抑えた場合のことを指す。試合を壊さず、十分に作れたことを示す評価基準だ。 もともとQSはスポーツライターが提唱した基準である。1985年、「フィラデルフィア・インクワイアラー」のジョン・ロウが発表したものとされているが、面白いのはスポーツライターの発想が、いまやメジャーリーグの発想の主流になってしまったことだ。 メジャーでは先発5人、ブルペンを6人か7人で回し
鯉の季節が終わっても、広島が上位に踏みとどまっている。その要因は、何とか投手陣を整備できたことだ。 今シーズン、大竹寛が故障で出遅れるなど、前田健太以外に、計算できる投手がいなかった。開幕カードの阪神戦に前田・篠田純平で連敗。バリントンで3連敗となれば、ズルズルといつものパターンに陥る気配だった。ところがそのバリントンで勝ち、巨人との初戦に引き分け。続いて今村猛・福井優也のドラフト1位コンビに勝ち星がついたことでチームが波に乗り、前田・篠田・バリントンと日米のドラフト1位トリオが勝ち続けての5連勝。その貯金を何とか守り続けているのが現状だ。 こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。 NumberWeb有料会員になると続きをお読みいただけます。 残り: 628文字 NumberWeb有料会員(月額330円[税込])は、この記事だけでなく NumberWeb内のすべての有料記事をお読みいた
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